気管支喘息

気管支喘息とは

気管支喘息とは喉頭で食道から分岐した気道が左右の肺に分岐した先を気管支といいます。気管支が何らかの原因で炎症を起こす慢性の疾患が気管支喘息です。気管支が炎症のために腫れて狭くなり、発作的に呼吸困難になったり咳が続いたりします。
常に症状が出ているわけではなく、アレルゲンや細菌感染、運動やストレスが発作の引き金になります。

気管支喘息の原因

気管支喘息のメカニズムはよくわかっていませんが、最近になって気管支の炎症であるという見方が主流になってきました。患者さんの気道の粘膜を検査すると、好酸球、アレルギー抗体であるIgE抗体、Tリンパ球、肥満細胞などの炎症細胞が多くみられ、気道に慢性の炎症があることがわかります。炎症があることで気管支が過敏性を持ってしまい、さまざまな誘引物質に反応して発作が起こってしまうと考えられています。

気管支喘息にはアトピー型と非アトピー型があります

アトピー型の気管支喘息

空気中のアレルゲンに反応して発作が起こるものです。アレルギー抗体(IgE抗体)が肥満細胞に結合し、肥満細胞から化学伝達物質が放出されて喘息反応が起こります。アレルゲンとしてはダニやカビなどのハウスダストがもっとも一般的で多くみられます。その他、魚やソバなどの食品、鎮痛解熱剤などの薬剤で発作が起こる方もいらっしゃいます。

非アトピー型の気管支喘息

アレルギー以外のものが原因となって発作が起こるものです。
また、激しい運動やストレス、風邪などのウイルス感染、飲酒などは喘息反応を起こす化学伝達物質を放出しやすくするため、症状を悪化させる要因となります。その他、喘息発作の引き金に、気温の急激な低下や台風などの気象変化、タバコや線香などの煙、満腹、月経や妊娠なども挙げられています。

気管支喘息の症状

気管支喘息の症状気管支喘息は、何らかのきっかけで突然咳き込んだり、呼吸が苦しくゼーゼーあるいはヒューヒューといった喘鳴を伴ったりする発作を起こします。呼吸困難度によって発作強度の判定基準があって、小発作(苦しいが横になれる)、中発作(苦しくて横になれない)、大発作(苦しくて動けない)に分けられます。重症になると血液中の酸素濃度が低下して意識を失うことがあり、唇や指先が紫色に冷たくなるチアノーゼがあらわれることがあります。
呼吸困難が続いた後に空咳や痰が出ます。痰は透明で粘り気が強く、切れにくいものです。喘息発作は夜間から朝方に起こることが多い傾向にあります。
喘息発作が24時間以上続く場合を喘息重積状態といい、適切な処置をしないと死に至ることもあります。

気管支喘息の治療

呼吸困難になるのは気管支の平滑筋肉が収縮して狭くなるためで、喘息死のほとんどは痰がつまった窒息死です。これまで、これを防ぐために気管支拡張薬で気管支を拡げることが治療の中心でした。しかし、気管支喘息の原因が気道の炎症であることがわかってきて、抗炎症作用のあるステロイド薬の吸引が治療の中心になってきました。ステロイド薬の吸引は長期にわたって使用してもほとんど副作用もなく、喘息をコントロールすることができます。ただ、発作の症状を和らげるために気管支拡張薬は有効であるため、突然起こる発作時には今でも使用されます。

気管支喘息は今のところ根治できる病気ではありません。発作時には気管支拡張薬でしのぎながら、平時からステロイド薬の吸入治療を行い、炎症を改善させることが大切です。
薬による治療とともに、生活環境を見直し、アレルゲンやその他の原因となるものを極力遠ざける工夫をしましょう。タバコは呼吸器疾患に関しては悪い影響しかありません。禁煙はもっとも重要な予防策です。

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