膀胱炎

膀胱炎について

膀胱炎について腎臓でつくられた尿が腎盂、尿管を経由して一時的に貯留される場所が膀胱です。膀胱は尿が漏れないようにためる蓄尿機能と、ある程度たまった尿を排出する排尿機能をもっています。内側は尿路上皮という粘膜で被われていて、この粘膜が炎症を起こすのが膀胱炎です。
膀胱炎は女性に多く見られる傾向があります。構造上、男性に比べて尿道が短く、細菌が侵入しやすいためです。
細菌感染などが原因で起こる急性の膀胱炎と、症状は軽いけれど頻尿や残尿感、排尿時の痛みが続く慢性の膀胱炎があります。慢性膀胱炎は何らかの基礎疾患があるなどさまざまな原因で炎症が起こります。
膀胱炎は放置していると悪化し、感染が腎盂や腎臓に広がるおそれがあります。

膀胱炎の症状

急性膀胱炎では頻尿、排尿時の痛み、尿の混濁(白く濁る)などがみられます。1日に10回以上トイレに行くことも少なくありません。排尿時の痛みはツンとしみるような痛みで、排尿して膀胱が縮む排尿終わりころに感じます。悪化すると焼け付くような痛みを感じることがあります。排尿しても何となく残尿感が残り、ひどくなるとトイレから出られなくなる人もいます。時には血尿が出ることもあります。
慢性膀胱炎でも急性膀胱炎と同じ症状がでますが、比較的程度は軽く、自覚症状が見られないこともあります。

膀胱炎の種類と治療法

急性膀胱炎

細菌感染によって起こります。その8割以上が大腸菌感染だといわれています。トイレが近くなる、尿量が減る、排尿時に痛みを感じる、残尿感が残る、尿が白く濁る、血尿があるなどが代表的な症状です。

治療法

細菌感染なので抗生物質の服用で、比較的短期間で症状は改善します。服用をはじめて1、2日で症状が落ち着くことがほとんどです。近年、抗生物質が効かない薬剤耐性菌も出てきているため、効果のある抗生物質を特定する薬剤感受性検査が必要な場合もあります。

慢性膀胱炎

急性膀胱炎が慢性化するケースもありますが、前立腺肥大症、膀胱結石などの尿路結石、糖尿病、膀胱がんなどの疾患の症状としてあらわれるケースも多くみられます。また、抗がん剤などの薬剤が原因となることもあります。基本的な症状は急性膀胱炎と同じですが、自覚症状がないこともあります。

治療法

細菌感染が原因であれば急性膀胱炎と同じように抗生物質を服用します。原因となる基礎疾患があるケースでは、その治療を優先します。

間質性膀胱炎

膀胱粘膜の下の間質や筋層にまで炎症が広がった状態で、膀胱の筋肉が萎縮します。原因はよくわかっていません。膀胱に尿がたまるにつれて痛みが起こる膀胱痛が特徴です。排尿すると治まります。頻尿、知覚過敏、尿意切迫感を感じます。

治療法

原因がよくわかっていないため、症状を和らげる治療を中心に行います。食事療法、薬物療法、水圧拡張療法などが行われます。また、尿を膀胱に少しずつためる訓練なども行います。

食事療法

赤ワインや熟成チーズ、柑橘類、炭酸飲料などの酸性度が高い食品や、コーヒー、緑茶などカフェインなどが多く含まれる食品、わさび、コショウなどの香辛料を摂ると痛みが強くなるといわれています。これらを避けることで症状を緩和させることが期待できます。また、十分な水分を摂って尿を薄めることも重要です。

薬物療法

抗アレルギー剤や抗うつ薬など、有効性が報告されている薬などが用いられます。

水圧拡張療法

もっとも有効な治療法といわれています。膀胱内に生理食塩水を注入し、水圧で膀胱を拡げるものです。治療効果は数ヵ月ですが繰り返し行うことができます。ヘパリンという薬を膀胱内に注入することで水圧拡張療法後の効果維持が期待されています。

出血性膀胱炎

ウイルス感染、細菌感染、アレルギー、抗がん剤などが原因となります。頻尿、排尿痛、残尿感のほか、血尿を伴います。微熱の発熱をすることがあります。

治療法

十分に水分を摂って安静にして、自然に治るのを待ちます。目で見てわかる血尿はほとんどのケースで数日以内に改善します。尿検査で検出される血尿も10日ほどでなくなります。その他の膀胱炎の症状も1週間程度で改善します。

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